大判例

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仙台高等裁判所秋田支部 昭和26年(う)140号 判決

A弁護人控訴趣意、B弁護人控訴趣意及びC弁護人控訴趣意各第一点について。(訴訟手続の法令違反の論旨)

記録によれば原審第七回公判において原審裁判所が被告人池上の司法警察員に対する各供述調書(第一乃至第三回)検察官に対する各供述調書(第一、二回)及び被告人斎藤の司法警察員に対する各供述調書(第一、二回)検察官に対する各供述調書(第一、二回)の証拠調を決定したところ、被告人池上の主任弁護人B並びに被告人斎藤の弁護人Dは、いずれも右各調書記載の供述に任意性がないことを理由として右決定に対し異議を申立たが、原審はいずれもこれを却下したこと、原審第八回公判において、B主任弁護人はさらに同様右各調書の供述に任意性がないことを理由として証拠調に関し異議を申立、A弁護人所論の各部分の供述につき排除の申立をなしD弁護人もまた、右と同趣旨の申立をなしたが、原審はこれに対する決定をいずれも留保したこと、同第十回公判において原審は右B主任弁護人の異議申立を却下したことが明らかであるが、D弁護人の申立てた右異議に対し決定をなした旨公判調書に記載がない。所論はD弁護人の異議申立につき決定をしないまゝ終結し右各調書を証拠として採用した原判決の訴訟手続は違法であると主張する。しかし公判調書に本件異議申立に対する決定がなされた旨の記載がないからといつてその決定がなされなかつたものと速断することはできない。本件D弁護人の異議申立は前記のとおり右B主任弁護人のそれと共にさきに第七回公判において、B、D各弁護人から申立てられ却下となつた異議理由に基きかさねてなされたものであるから原審がB主任弁護人の右異議申立を却下している以上本件D弁護人の異議申立に対しても同様その際却下の決定がなされたものとみることができ、このことは第十回公判において反証の取調の請求その他証拠の証明力を争うことができる旨を告げられながら各弁護人はいずれも立証すべきことはない旨答えており、さらに裁判長の証拠調終了の宣言につゞいて各弁護人は弁論に入つていて、その間D弁護人は本件異議申立に関し何等発言をした形跡はみとめられない事実に徴しても是認することができるのであるから原裁判所は本件異議申立についてもまた却下の決定をしたものと認めるを相当とする。論旨はいずれも採用し難い。

(裁判長裁判官 中兼謙吉 裁判官 岡本二郎 裁判官 兼築義春)

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